ひみつ基地ラプソディ■アースダンボール メルマガVOL61■2018年12月号
ダンボール秘密基地は子供の遊びって、誰が決めたの?
どっこい大人でも楽しんでる人、沢山いるよね。
でもね、ダンボール秘密基地が一番ステキなのは、
大人と子供の中間くらい、高校生くらいって知ってた?
ワクワクとかドキドキとかももちろんあって、
それでいて、ほろ苦くて甘酸っぱくて、切なくて・・・
それが高校生の秘密基地。
恋人同士の、秘密基地。
(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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あれは僕が高校一年生の時、僕に初めての彼女ができた。
彼女は二つ年上の高校三年生で名前は清美さんといった。
彼女は将来の夢の為に一流大学を目指す受験生。
キャビンアテンダントを目指す彼女は頭がよく聡明で、
名前のように清らかで美しい女性(ひと)だった。
まだ高校一年生の僕にとっては素敵すぎた人だった。
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付き合い始めて半年くらい経った頃、季節はクリスマス。
僕と彼女はクリスマスの夜に会う約束をしていた。
約束の日、僕は小さなプレゼントをポケットに入れて家を出た。
クリスマス当日の夜の街はとても華やかで賑わっていた。
待ち合わせの喫茶店に僕は約束の時間より少し先に着いた。
一人で待っている間も、僕はふわふわと夢見心地だった。
そして少し遅れて彼女がやってきた。
『陸(りく)くん、ごめん、待った?』
『僕も今来たところだよ、清美さん』
そう言った彼女の表情はどこかうつむき加減だった・・・
『清美さん、どうしたの?なんか元気ないみたいだけど』
すると彼女の目から急に涙が溢れ、はらはらと泣き出してしまった。
『ちょ、、ど、どうしたの?』
『あのね、親と大喧嘩した。もう家に帰りたくない・・・』
『え、、ええ、えええええ~!!』(;゜Д゜)
楽しい夜の始まりは一変した・・・
(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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彼女は泣きじゃくっていて、とても食事の雰囲気ではなかった。
とりあえず僕たちは人の多い街中から離れた方向に歩き出した。
二人の足は自然とある場所へ向かっていた。
そこは、街中から少し離れた住宅街の公園。
出会った頃、二人でベンチに座ってよく話をしていた公園。
二人にとってはちょっと思い出のある公園だった。
お決まりのベンチに座る頃には、彼女は泣き止んでいた。
僕は喧嘩の話には触れず、たわいもない話をしていた。
でもさすがに12月25日の夜、
二人がぴったりとくっついていても、寒さが厳しくなってきた。
『清美さん、寒いね。今日はもう帰ろう?』
『やだ・・・・・・』
『・・・・・・・・』ε-(‐ω‐;)
仕方ない・・・僕はとことんまで彼女に付き合う覚悟を決めた。
そんな時、公園の片隅のかなり大きな段ボール箱が目に入った。
たぶん、昼間に子供たちが秘密基地で遊んでいた段ボール箱だ。
すると彼女は急にニヤっと微笑んでこう言った。
『ねえ陸くん、あれに、入ってみない。あったかそうだし』( ̄ー+ ̄)
『はあ・・・?』
二つ年上でしっかり者で、頭が良くて頼れる女性、
その彼女がさっきまで見せていた弱々しい泣き顔、
そして今度は急に見せた子供っぽい小悪魔的笑顔、
今夜はとことん付き合ってあげると決めたし、
こんな振り回され方もまあいっか、と思えた。
なんにせよ、彼女が笑ってくれるなら・・・
『いいよ、入ってみよう!』
『ほんと!? やったー!』(/^▽^)/
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二人が隣同士ぴったりくっついて体育座りをして、
ちょうど収まるくらいの大きな箱だった。
『ははは、本当に入っちゃったね』
『うん、結構あったかいね!』
『うん、あったかい。ダンボール箱ってあったかいんだね』
『なんか、ちょっとドキドキしちゃうよね』
彼女はすっかりいつもの元気を取り戻していた。
二人は、初めての体験にしばらく息を潜めてみた・・・
遠くからは街のにぎやかな喧噪(けんそう)が静かに聞こえていた。
聖なる夜、ちょっと人に言えないような、ちょっといけないような、
そんな事を大好きな人と共有する不思議な心地良さが二人を包んだ。
まるで、悪戯好きな魔女の魔法にでもかかったような空間だった。
それから、
犬の散歩をする人が通りかかって、犬が箱をクンクンしていたり、
酔っ払いがふらふらと歩いて二人の箱にぶつかったり、
他のカップルが通りかかって『わあ、おっきな箱』とつぶやいたり、
その度に、二人は顔を合わせて息を潜めながら笑っていた。
そして、いつの間にか夜中の12時近く、
賑わっていた街の音も聞こえなくなり、あたりは静まり返っていた。
それでも僕は『帰ろう』とは言わなかった。
二人の間に沈黙が流れた。
少し長い沈黙だった・・・
・・・その沈黙を、彼女が静かに破った。
『このまま、時間が止まっちゃえばいいのに・・・』
僕は黙って聞いていた。
『ねえ、もう離さないよって、、言って、、、、、』
『え?』
『離さないよって、言ってくれるだけでいいの、お願い』
人前ではあまり弱さを見せないとか、
受験勉強中でとても大変なんだとか、
色々あって親と喧嘩しちゃったとか、
そんなことを察するとかしないとかそんなことじゃなくて、
その時僕は、ただ彼女が愛(いと)おしかった。
今、彼女を癒してあげられるのは僕だけなんだ。
『うん、離さない・・・離さないよ』
僕は彼女の手を強く握った。
『うん、うん、ありがとう、陸くん・・離さないでね』
彼女は僕の手をぎゅっと握り返し、続けてこう言った。
『ごめん、私、迷惑かけちゃってるね・・・帰るね』
そう言って彼女は立ち上がろうとした。
また泣き出してしまうのをこらえているのが僕にはわかった。
『離さないよ』の言葉だけじゃ足りない気がした。
だから、
僕は自分の唇を彼女の唇にそっと触れさせた。
キス、とは言えないような、ほんとうにそっと。
彼女の唇からは、我慢や不安やそんな感情が伝わってきた。
だから僕は少しだけ、唇の触れる力を強くした。
彼女も、それに応えてくれるように体の力を抜いてくれた。
いつまでも一緒にいたい、心からそう思った。
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そして二人は"基地"の外に出た。
改めて夜の静寂さと突き刺すような寒さに触れて、
一気に現実に引き戻された。
いや、僕たちは自分で戻ったんだ。
『魔法の時間、終わっちゃったね、お姫様・・・』
『うん、終わっちゃったね。
でもさ、ダンボール箱って、あったかいんだね、本当に
物理的温度だけじゃなくって、なんていうか、なんかね』
『物理的・・・さすがは一流大学を目指す受験生。
でも、なんかしまらない感想だね(笑)』
『もう!私、本当はしっかりものじゃないんだからね!
でも、ありがとう。私、受験頑張るよ』
『うん、頑張れ! 応援してるから。
あ、そうだ、もう日付過ぎちゃったけど、これ、プレゼント』
『わあ、ありがとう。私も、これ、プレゼント。
なんか私のせいで二人とも渡すタイミング無かったね(笑)』
『まあ、クリスマスはまだこれから何回もあるからね。
いつかこの基地くらいの大きな段ボールでプレゼント送るよ』
『うん・・・。ねえ、ところでさ、
私の受験が終わったら、また秘密基地ごっこ、やらない?
なんかちょっと、いい感じだったの(笑)』
『はは・・もちろん、いいよ』(新たな目覚めか・・(^-^;))
『うわ、ママから着信いっぱい来てる・・・帰って謝んなきゃ』
あれは僕と彼女の、ほろ苦くて甘酸っぱくてちょっと切ない、
ダンボール秘密基地。
どんな素敵で豪華なクリスマスパーティーより思い出に残る、
ダンボール秘密基地。
FIN
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【編集後記・へんしゅうこうき】
モノであっても人であっても、
箱に入るものは何でもいいんです。
箱であっても無くてもいいんです。
いっそ何も箱の中に入らなくても、
私達の作ったダンボールや何かで、
触れた人々みんなが幸せになれば。
この二人みたいに。
では、素敵なクリスマスを!
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という訳で、
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今号も最後までお読み下さりありがとうございました。
m(__;)m
12月某日 メルマガ編集長 やまぎし
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