箱、開けちゃダメ ~前編~■アースダンボールメルマガ VOL46■2017年9月号
箱なんて、
中身を入れてナンボ、蓋を開けてナンボ、
な道具です、だいたいはね。
でも、開けたくても開けられない、むしろ開けない方がいい、
そんな箱も、あるんです。
この二人がつむいだ青春のように。
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翔太(しょうた)と美里(みさと)は、幼なじみ。
家も隣同士で家族同士も仲が良く、漫画でいうと、
ちょうど上杉達也と浅倉南のような二人だった。
翔太はものごころついた時から野球が大好きで、
小学校に入学するとすぐに地元の野球チームに入った。
体格にも恵まれた翔太はみるみると実力をつけ、
小学4年の頃にはチームも全国レベルまでになった。
美里は、翔太の野球をやる姿を見るのがとても好きだった。
翔太の試合の日はいつも応援に行き、それだけでは満足せず、
翔太のチームのマネージャーとしてチームの一員にもなった。
翔太は野球に打ち込み、美里はそんな翔太をそばで応援し、
互いが互いを必要としながら、二人は小学校生活を過ごした。
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小学校を卒業し、二人は地元の中学校に入学した。
翔太は野球部に入り、美里も野球部のマネージャーになった。
この頃になると、当人同士の意識は別として、
周囲では、二人は"公認の仲"になっていた。自然なことだった。
ただ、二人にとってはそんな前提はどうでもよかった。
幼なじみ、親友、恋人、二人にはどれも当てはまった。
翔太はすぐにレギュラーとなり、同時にチームも強くなり、
またたく間に県の上位常連校に名前を連ねるほどになった。
そして、中学生の翔太の次の夢は『甲子園出場』となった。
翔太の夢は美里の夢・・・
美里も、同じ高校の野球部マネージャーになると決めていた。
美里はその夢の実現を信じるがゆえの、あることをした。
それは中学3年の時、翔太の誕生日の事だった・・・
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『はい、翔ちゃん、これ、誕生日プレゼント。』
美里が渡したのは、手のひらに乗るくらいの小さな箱だった。
かなり軽く、"カサカサ"という音だけがした。
(なんだろう? 紙、、手紙? メモ?・・・)
箱の蓋はシールで封緘されていて、シールに何か書いてある。
『~こうしえんにいくまでこのはこをあけるな~
はあ? なにこれ? 妙な誕生日プレゼントだなあ・・・』
『まあまあ。とにかく、甲子園いけるまで開けちゃダメ。
そうじゃないと、意味が無いの。その代り、私も応援する!
私も一緒に行く、甲子園! だから頑張ってね!翔ちゃん!!』
『なんだか、挑戦状みたいな誕生日プレゼントだな~(笑)。
でも、ありがとう。俺も、美里と甲子園に行きたいしな!』
美里には、甲子園出場を決めて箱を開ける翔太の姿だけが
浮かんでいた。本当にピュアに、それしか見えていなかった。
美里には、それ以外の結果など微塵も想像がつかなかった。
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翔太は私立の強豪、常風(じょうふう)高校からの誘いを断り、
地元の県立竜泉(りゅうせん)高校へ進学した。
『強豪校を倒して甲子園に行きたい』が翔太の口癖だった。
ただ・・・
この時の二人の心を的確に表現するには、私の人生経験は浅い。
二人がどのように自分の心に踏ん切りをつけたか想像もできない。
美里は竜泉高校に落ち、翔太とは別の私立高に行くことになった。
それは、翔太が誘いを断った強豪、常風高校だった。
ああ神様・・・なんでやねん・・・。
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美里は前を向き、常風野球部のマネージャーになった。
翔太よりも、美里の甲子園出場の確率の方がはるかに高い。
それでも、翔太と美里は、翔太と美里だった。
幼い頃から一緒に夢を抱いてきた二人の絆は、
どんなに高く険しい障壁も超えられる、充分な力があった。
『美里、俺は必ず甲子園に行く。
もし公式戦でお前のチームと闘うとなれば、遠慮はしない。
必ず常風を倒して、俺が、竜泉が甲子園に行く。
そして、あの箱を開けるよ。』
『うん、翔ちゃん、私も負けない。
翔太のチームと闘うとしても、全力でチームをサポートする。
私のチームは、常風は強いわよ。
あの箱を開ける時は、来ないかもしれないわよ。』
二人は互いを認め合い、互いの青春をまっすぐに走り出した。
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翔太は一年生からレギュラーとなり、竜泉高校も強くなった。
一年生の夏の県予選、翔太の竜泉高校はベスト8まで進むも敗退。
その年に甲子園出場を決めたのは美里の常風高校だった。
その年の秋の大会、竜泉高校は県大会で準優勝するも、
翌年の春の甲子園大会に選抜されるまでには至らなかった。
二年生の夏の県予選、竜泉高校はベスト4入りを果たすも敗退。
この年の夏の甲子園出場は、昨年につづき常風高校だった。
翔太は、翌年の春の甲子園出場も叶わなかった。
ここまで、4度の甲子園出場を逃した竜泉高校、翔太。
一方、春夏4大会連続出場の記録を更新中の常風高校、美里。
ただ、ここまで竜泉と常風の公式戦での対戦は無かった。
美里はどこか少しほっとしていたが、
運命の神は遂に仕掛けてきた・・・・・・・・・・。
そして迎えた3年生の夏。甲子園最後のチャンス、夏の県予選。
翔太の竜泉高校は遂にチーム初の決勝戦まで勝ち進んだ。
決勝の相手は・・・・春夏4大会連続甲子園出場、常風高校!!
遂に、翔太と美里は公式戦で、しかも決勝戦であいまみえる!
決勝戦の前の夜、二人は互いの部屋の窓から声を掛けあった。
『美里、俺、明日この箱開けるから、ぜってえ!!』
『翔ちゃん、その箱は今年も開けさせない、ぜってえ!!』
二人は笑いながら、明日の健闘を誓い合った。
翌日、真夏の太陽がふりそそぐ決勝戦の県営野球場、
竜泉高校 VS 常風高校 の決勝戦が始まろうとしていた。
常勝、常風高校に、甲子園初出場をかけた竜泉高校が挑む。
試合前の一瞬、翔太と美里の目がふいにあった。
二人は互いに"ニコ"っと抑え気味に笑った。
二人の心と感情には、
爆発してしまいそうな高揚感と凛とした静寂が調和していた。
ああ、なんていう、なんていう青春だろう。
これ以上の青春があるだろうかとさえ思えるほど、最高の青春。
あの日以来、竜泉高校合格発表の日に分離した二人の青春は、
遂に最高の舞台で再びクロスする!!
箱は、翔太のバッグの中で開かれる時を静かに待っていた。
次号、~後編~ へつづく
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★★★ 今月のがんばれ舛掛(ますかけ)くん★★★
つい先日、今年の夏の高校野球も幕を閉じましたね・・・
ここ数年で高校野球を見る視点が変わりました。
それは、自分より年下の選手しかいない、ということです。
今までは自分と同年代もしくは年上ばかりだったのに、
気がつけば年下しかいなくて、なんというか、
言葉に出来ないような、不思議な感覚です。
野球は実のところ、ルールが複雑で難しいスポーツだと思っています。
ですが、そこがとても面白い思えるポイントでもあります。
無理矢理、話を繋げてしまいますが、
ダンボールも似たようなことが言えるもので、
箱の寸法や配送方法など、初めてダンボールを買う時、
不安要素がたくさんありますよね…。
僕自身もダンボール会社に入るまでは、ちんぷんかんぷんでした。
ルールブックが誰でも分かるところにあるわけではないし、
全て手探りでパーツを集めていくような感じです。
そんな中でアースダンボールは、ダンボールの選び方や、
不安要素を解消できるWEBページを作成いたしました!
コチラです↓↓
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もし、ここに載っていない内容がございましたら、
アースダンボールのスタッフがお電話やメールで、
直接ご案内をさせていただきますので、ご安心ください!
どうぞよろしくお願いします!
舛掛
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【編集後記・へんしゅうこうき】
最近、こんな感じのヨミモノ的な配信が多いですが、
みなさま楽しんで頂けていることと(ぞ、ぞんじます、、)。
さて、あなたは竜泉高校と常風高校、
どっちが勝つと思いますか?もしくは勝って欲しいですか?
ぜひ、その予想(希望)を、下記URLからご投票下さい。
投票ページURLはこちらです↓↓
https://plus.combz.jp/enquete/form/@Aco3pBAAm_5pomtlrs/
この結果で、来月号のストーリーが動くかも・・・。
最後までお読み下さりありがとうございました。
m(__;)m
9月某日 メルマガ編集長 やまぎし
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