ダンクシーの絵画は私だけに微笑む■アースダンボール メルマガVOL101■2020年12月号-2

『おい朝霧、本当に本当なのか!?』(o゜□゜)o 『はい、何度も確認しました。間違えないです』 『本当にあのダンクシーが取材OK出してくれたのか!?』 『はい、あのダンクシーです!』(`・ω・´) 『なら世界初だぞ!お前、一体どんな魔法使ったんだ!?』 『いえ、別に、ごく普通に・・・』 『とにかく、とにかくエライこっちゃ~!!』(@゜Д゜)@ 98-2 (´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п ************************************************** 私は朝霧留美(あさぎりるみ)27才、独身。 アート系雑誌"ART VOGUE(アートヴォーグ)"の記者をしている。 ダンクシーは世界中の誰もが知るドイツの超大物画家。 性別も年齢も本名もビジュアルも未公開の謎の人物。 ダンクシーの社会風刺画は人の心にダイレクトに刺さってくる。 そしてダンクシーのキャンバスはなんと、全てダンボール板! 更に必ず絵の中に猫が描かれる。その為、 日本限定ではあるが"ニャンクシー"のニックネームもある。 更にはメディアの取材を一切受けない主義でも有名。 そんなダンクシーが近く来日するとの情報が舞い込んだ!! 私は持てる人脈とコネの全てを使って取材を申し込んだ。 そしてなんと・・・OKが出た!!! やっと、やっとダンクシーに会える。 私にはどうしても会いたい訳がある・・・ _____________ ダンクシーは日本人では?という噂は業界の通説。 ダンクシーのダンはダンボールのダンでは?という説だ。 取材の日、ダンクシーが指定したのは都内のごく普通の喫茶店。 全て未公開の人物は逆に気軽な外出ができるらしい。 そして待ち合わせの席には一見普通の日本人男性が居た。 『どうも、ART VOGUEの朝霧留美です、本日はありが、、』m(- -*)m 『留美姉(ルミねえ)!やっぱり留美姉なんだね!!』ヾ(o´∀`o)ノ 『か、和也・・・くん。や、やっぱりあなたなのね』(゜゜) 『うん、和也だよ、会いたかった、留美姉!』ヾ(o´∀`o)ノ (´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п ************************************************** 私と1つ年下の和也は家が近所でいつも一緒に遊んでいた。 和也は私を『留美姉』と呼び、いつも私に引っ付いていた。 和也はどこか天然ボケでとてもお調子者の子だった。 私はよく『もお、バカなの~!?』と言いながら弟みたいにかわいがった。 私達は一緒に絵を描くのが好きだったが、普通の画用紙ではなく、 大きなダンボールを貰ってきてダイナミックに描くのが好きだった。 あの頃は私の方がずっと絵が上手で、和也はいつも悔しがっていた。 でも、私が7歳、和也が6歳の時、和也は突然居なくなった。 『ねえ、なぜ黙って消えたの? 私ずっと・・・』(´;ω;`) 『ごめん留美姉。親の離婚で急に家を出る事になって、  連れてこられたのがいきなりドイツで・・・』(_ _。) 『誰に聞いてもわからないし、探すあても無いし。  でもずっと想ってて・・・やっと、やっと会えた』(´;ω;`) 『本当にごめん。でも俺、必ず再会して約束を果たすって決心して、  ずっと絵を描き続けたんだ。ダンボールに』( ´ー`) 『や、約束・・・?』(・・?) 『まさか留美姉、忘れたの?ほら、これ見だよ』 和也、ダンクシーはダンボールに描かれた1枚の小さな絵を出した。 『あ!う、うそ! 和也、まだ持ってたの、それ!?』(((((°°;) 『当たり前だよ。これだけを支えに頑張ってきたんだ。  留美姉より絵が上手になったら俺と結婚してくれるんだよね!』(ノ゜Д゜)ノ 『け、けっこ・・ま、まさかその為に絵を続けたの!?』(・・?) 『そうだよ!画家になったのはその延長でたまたま!』(ノ゜Д゜)ノ 『え、えええええ~~!!!』(°◇°;) それは和也が(勝手に)描いた、私と和也の結婚式の絵だった。 それがあまりにもヘタだったので思わずこう言ってしまった。 『ヘタクソ!そんなヘタな絵しか描けない人と結婚したくないよ』 『じゃあ留美姉より上手に描けるようになれば結婚してくれる?』 『いいわよ!その時はしてあげる。どうせ一生無理だろうけど』(¬∀¬)=3 我ながらダンクシーに向かって恐ろしい事を言ったもんだ。 『それで俺、留美姉より上手くなった?結婚してくれる?』ヾ(゜з゜*)ノ 『ちょ、ちょっと待ってよ!バカなの!?再会してまだ2分・・』(^◇^;) 余りにも展開が早すぎて頭がこんがらがってきた・・・ 『わ、私の、私の話も聞いて・・・  和也が突然消えた日から、私の中にはずっと和也が居たの。  それで私が進路で悩んでる高校3年生の時、  ダンクシーのダンボール画作品が突然世に出てきたの。  その作品を見た時、和也だって一瞬で確信したの。  でもダンクシーは全てが謎で連絡の取りようもない・・・  だから私、アート業界に進もうって進路を決めたの。  いつかあなたとの接点ができるんじゃないかと思って』(* v v) 『そう、だったんだ・・・実は僕も数年前、  ART VOGUE のダンクシーの作品紹介記事のライター名が  "朝霧留美"ってあったから、留美姉だ!ってわかったんだ』 『ええ!じゃあなんでその時連絡くれなかったのよ!』(# ゜Д゜) 『ダンクシーを名乗る迷惑メールとかが世界中で横行しててさ、  連絡しても信じて貰えないんじゃないかと思って』(´д`* ) 『なら、本名で連絡すればいいじゃない!!』(# ゜Д゜) 『あ、そっか。その手があったな』(゜ ρ ゜) 『そっかって、やっぱバカなの?全然変わってないわね』(=゜ω゜) 『ははは、、留美姉のセリフも変わってないね! それとね、  その時はまだ留美姉より絵が上手になったと思えなかったんだ』 『私よりって。ダンクシーでしょ!世界のダンクシーでしょ?』(# ゜Д゜) 『うん、確かに世界中に認めて貰えてる。  でもあの頃留美姉が描いた絵ほど心が幸せになれる絵を、  まだ見たこと無いんだ。俺には留美姉の絵が今も一番なんだ。  有名画家の絵も自分のでも、あの絵には敵わないんだ』(´▽`).。 『あ、えっと、じゃあ私、今からでも画家に転身できるかしら。  ってそうじゃなくて!!  それじゃずっと私に再プロポーズできないよね!?』(# ゜Д゜) 『そうなんだよね。でもそう思いながらも活動続けてたらさ、  ついに来たんだ、取材の申し込み、留美姉からの!!  その時にさ、ビジネスパートナーに留美姉のこと話したんだ。  したら彼は俺にこう言ったんだ。  "バカだなー、ダンクシーは。  その人より絵が上手いかなんて、その人に決めてもらうしかないじゃん"  って。その時、あ、そっか、って思ったんだよ。  で、取材OKして、会って、決めてもらおうと思ってさ』(´▽`) 『あ、そっか、じゃないわよ!やっぱりバカなの?  そ~んな理由であのダンクシーが取材OK!?  私が原因っっだけど、これで記事なんて書けないわ・・』(;´д`)=3 『でさ、どう?俺の絵! 留美姉より上手になった!?』(´▽`) 『ああやかましい!、頭の中がそれどころじゃないわ!  それより少しは仕事らしい質問させて。なんで一切取材NG?』 『ああ、それ? 最初は、単に面倒だったから。  でも留美姉が業界誌のライターやってるって知ってからは、  いつか会えた時に留美姉をビックリさせようと思って。  初取材受けるのは留美姉!って決めてたんだ。』(´▽`) ああ、ああ~、やっぱりね、この数分でそんな気がしてたわ。 でもそのサプライズ、いらね~わ~・・・(;´д`)=3 『じゃあダンクシーって名前は?』 『ダンボールのダン。あとダンケシェーンと似てるから』(´▽`) ああ、ああ~、ダンクシ~が、世界のダンクシ~が~(;´д`)=3 『じ、じゃあ必ず猫を含めるのはなぜ?』 『あの猫は昔留美姉んちに居た子だよ。三毛柄が同じでしょ!』(´▽`) ああ、やっぱりね・・・(;´д`)=3 私はもう半ば呆れて、いや諦めて。いや、ほっと一安心して、 ダンクシーが和也であることを、あの時の和也であることを噛み締めた。 『で、留美姉、ちゃんと聞かせて。どっちの絵が上手!?』(´▽`) 98-2 『ふん、そう、ね、、あなたも、まあ頑張ってるわね。  でも、私の腕前にはまだまだ届かないわね・・・』( ̄ー+ ̄) 『そ・・っか、わかった、俺もっと頑張るよ・・・』(´・ω・`) 『でもま、あの契約内容、条件付きで緩和してあげなくもないわよ』(〃ー〃) 『条件!?なに? なんでもする!なになに?』(;゜Д゜) 『二度と、もう二度と私の前から黙って居なくならないで』(〃ー〃) (´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п ************************************************** その翌日・・・ 『おい朝霧、取材はどうだった!?』(゜∀゜) 『あ、チーフ、実はど、ドタキャンされちゃって』(;^ω^) 『・・・ふ~、やっぱりそんなこったろうと思ったよ。  大方、ダンクシーを語るイタズラ野郎だろ』┐(´∀`)┌ 『お騒がせしちゃってすみませんでした』(;^ω^) __________________ 数日後、ドイツに戻った彼から一通のメールが届いた。 "ねえ、留美姉と再会できたのってダンボールのおかげ、だよね。  ダンボールってね、日本とドイツじゃ質感が全然違うんだ。  国によって全然違うんだよ。絵の仕上がりも違って面白いよ" 彼はこれからも世界中のダンボールに絵を描き続ける。 彼を世に紹介するのは、もう少し後にしよう。 FIN ※この物語はフィクションです。 特に、かのイギリスの超有名アーティストとはなんら関係がありません(;^ω^) (´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п(´o`)п **************************************************     【編集後記・へんしゅうこうき】 あなたには朝霧さんのような体験はありますか? 幼馴染や昔の知り合いが超有名人になっちゃった、とか、 逆にあの超有名人と実は昔少しだけ関りがあった、とか。 まあ、朝霧さんのような例は超レアだとして・・・^^; ただ今回の編集をしながらずっと思ってた事があるんです。 有名人だとかそうじゃないとかはひとまず置いといて、 ダンボールが繋ぐ縁って本当に沢山あるんですよね。 ある意味こうしてあなたにこれを読んで頂いているのも、 ダンボールが繋いだ縁なんだな~、と。 m(__;)m 12月某日 ライティング兼編集長:メリーゴーランド

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