押入れ奥のダンボール Part２ -前編-■アースダンボール メルマガVOL１０５■2021年2月号-2
人の心の奥底と同じ場所が、実は家にもある。
それが押入れの奥。
そこにあるのは夢か希望か。
それともひっそり隠した思い出か？
このメルマガの意外な人気シリーズ
『押入れ奥のダンボール』
第二回は一体どんな・・・！？
（´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п
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僕の名前は一志（かずし）。
この春、高校を卒業してファッションの専門学校に進む。
僕のコーディネートで女性が美しく輝かせるのが、
僕の"幼い頃からの"夢だったんだ。
といっても胸を張ってそう言えるようになったのはつい最近の事。
それも母と、押入れから出てきたダンボール箱のおかげで。
ただその箱が出てきた時の気持ちを、僕は一生忘れないだろう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
僕は三人兄弟（長女、長男、次男）の末っ子。
母は物静かで優しかったが、父はかなり昔気質の性格で、
男は男らしく、女は女らしく、と育てられた。
でも僕は何となく女の子っぽいものの方が好きだった。
姉と一緒に女の子向けのテレビアニメを見ようとすると、
『男がそんなもの見てるんじゃない！』と父に叱られた。
でも抑圧された僕の欲求は成長につれて逆に大きくなり、
中学生の頃には女性向けファッション雑誌を買って見ていた。
勿論、家族には内緒でこっそり。でも友達に話したら、
『お前そんなの見てんのかよ～、おかしいんじゃね～』
とバカにされ、以来、自分の興味を誰にも話さなくなった。
それどころか
『俺ってやっぱり変なのか？』とも思うようになってしまい、
いつしかその興味さえも心に奥に押し込んでしまっていた。
でも本当はそれがとても苦しかった。
僕の中にはいつも葛藤があった。
そして同時に、なかなか進路を決めることができずにいた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
母が入院したのはそんなさなかだった。癌だった。
入院した時には既に病状がかなり進行してたらしく、
治療の甲斐なく、母はみるみる弱っていった。
そしていよいよ薬を強くしなければならなくなった時、
担当医の先生が
『この薬を射てば苦しさは一時的にかなり減ると思います。
でも意識ははっきりできないかもしれません。
だから今、話せるうちに、ご兄弟三人順番で、
お話されたらいかがですか？』 と言った。
母が比較的落ち着いていた時を見て、
僕達は順番で一人５分づつ、母と話す事にした。
最初に長女の姉が病室に入っていった。
姉は病室に入る前からボロボロに泣いていた。
きっと５分じゃ何も話せなかったに違いない。
５分後、姉は更に強く嗚咽しながら病室を出てきた。
二番目の長男、兄も同じだった。
無理だよね、こんな状態で話とか、言葉とか・・・
勿論、僕も同じだった。
僕は溢れ出る涙を噛み殺すように病室に入った。
すると、母は優しく微笑んで僕にこう言った。
『一志、泣くんじゃない。
いい？ 時間が無いからよく聞いて。
母さんの寝室の押入れの一番奥にダンボール箱があるの。
その中にはお前の大事な物が入ってるの。
今まで黙っててごめんね。
もうあなたは立派な大人だから、箱の中の物は
あなたが自分で判断するべきよ。』
『ウウッ、ヒック、、、だ、だいじだぼの・・・？』(ノ△・。)
『そう、あなたにとって大事なものよ。
きっと今のあなたの背中を押してくれる。わかった？』
『ううッ、グスッ、わ、わがっだ・・・エグッ』(ノ＿｀。）
『わかったなら、今すぐ行って箱を開けてみて。
ほら、もう行きなさい。母さん、少し寝るわ・・・』
涙にむせんで何も話せない僕に、
母は落ち着いて力強く話してくれた。
僕はすぐに帰り、押入れからダンボール箱を出した。
～次号へ続く～
To be continued
（´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п
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【編集後記・へんしゅうこうき】
メルマガって何だろう・・・？
って、時々考えます。
８年も続けて来て、未だにそう考えます。
そんな考えに、最近新しい考えが仲間入りしました。
このメルマガ、
そもそも"メルマガ"ではないんじゃないだろうか？
じゃあ一体これは何・・・？
あなたにとってこのメールは例えるなら何ですか？
ぜひお聞きしたいです^^
さて、次号では箱の中身が何だったのか？
それがどんな意味を持っていたのか？
が明かされます。
もし宜しければ、次号も読んで頂ければ嬉しいです。
今号も最後までお読み下さりありがとうございました。
ｍ(＿＿；)ｍ
２月某日 ライティング兼編集長：メリーゴーランド
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僕は三人兄弟（長女、長男、次男）の末っ子。
母は物静かで優しかったが、父はかなり昔気質の性格で、
男は男らしく、女は女らしく、と育てられた。
でも僕は何となく女の子っぽいものの方が好きだった。
姉と一緒に女の子向けのテレビアニメを見ようとすると、
『男がそんなもの見てるんじゃない！』と父に叱られた。
でも抑圧された僕の欲求は成長につれて逆に大きくなり、
中学生の頃には女性向けファッション雑誌を買って見ていた。
勿論、家族には内緒でこっそり。でも友達に話したら、
『お前そんなの見てんのかよ～、おかしいんじゃね～』
とバカにされ、以来、自分の興味を誰にも話さなくなった。
それどころか
『俺ってやっぱり変なのか？』とも思うようになってしまい、
いつしかその興味さえも心に奥に押し込んでしまっていた。
でも本当はそれがとても苦しかった。
僕の中にはいつも葛藤があった。
そして同時に、なかなか進路を決めることができずにいた。
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母が入院したのはそんなさなかだった。癌だった。
入院した時には既に病状がかなり進行してたらしく、
治療の甲斐なく、母はみるみる弱っていった。
そしていよいよ薬を強くしなければならなくなった時、
担当医の先生が
『この薬を射てば苦しさは一時的にかなり減ると思います。
でも意識ははっきりできないかもしれません。
だから今、話せるうちに、ご兄弟三人順番で、
お話されたらいかがですか？』 と言った。
母が比較的落ち着いていた時を見て、
僕達は順番で一人５分づつ、母と話す事にした。
最初に長女の姉が病室に入っていった。
姉は病室に入る前からボロボロに泣いていた。
きっと５分じゃ何も話せなかったに違いない。
５分後、姉は更に強く嗚咽しながら病室を出てきた。
二番目の長男、兄も同じだった。
無理だよね、こんな状態で話とか、言葉とか・・・
勿論、僕も同じだった。
僕は溢れ出る涙を噛み殺すように病室に入った。
すると、母は優しく微笑んで僕にこう言った。
『一志、泣くんじゃない。
いい？ 時間が無いからよく聞いて。
母さんの寝室の押入れの一番奥にダンボール箱があるの。
その中にはお前の大事な物が入ってるの。
今まで黙っててごめんね。
もうあなたは立派な大人だから、箱の中の物は
あなたが自分で判断するべきよ。』
『ウウッ、ヒック、、、だ、だいじだぼの・・・？』(ノ△・。)
『そう、あなたにとって大事なものよ。
きっと今のあなたの背中を押してくれる。わかった？』
『ううッ、グスッ、わ、わがっだ・・・エグッ』(ノ＿｀。）
『わかったなら、今すぐ行って箱を開けてみて。
ほら、もう行きなさい。母さん、少し寝るわ・・・』
涙にむせんで何も話せない僕に、
母は落ち着いて力強く話してくれた。
僕はすぐに帰り、押入れからダンボール箱を出した。
～次号へ続く～
To be continued
（´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п(´o｀)п
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【編集後記・へんしゅうこうき】
メルマガって何だろう・・・？
って、時々考えます。
８年も続けて来て、未だにそう考えます。
そんな考えに、最近新しい考えが仲間入りしました。
このメルマガ、
そもそも"メルマガ"ではないんじゃないだろうか？
じゃあ一体これは何・・・？
あなたにとってこのメールは例えるなら何ですか？
ぜひお聞きしたいです^^
さて、次号では箱の中身が何だったのか？
それがどんな意味を持っていたのか？
が明かされます。
もし宜しければ、次号も読んで頂ければ嬉しいです。
今号も最後までお読み下さりありがとうございました。
ｍ(＿＿；)ｍ
２月某日 ライティング兼編集長：メリーゴーランド
048-728-9202
