むかしむかし、ダンボールがあれば!?■アースダンボールメルマガVOL145■2022年10月号-2
昔々、四匹の子豚が居ました。
三匹じゃありません。四匹です。
子豚達はそれぞれの家を作ることになりました。
一匹目の子豚が作った藁(わら)のお家は
オオカミの息で吹き飛ばされてしまいました。
二匹目の子豚が作った木のお家も
オオカミに体当たりされてバラバラと壊れました。
そして三匹目の子豚が作ったレンガの家でさえも、
オオカミは大きな石で何度も叩き、崩れ去りました。
レンガの家が壊されたのは完全な想定外でした。
そこで困った四匹目の子豚は考えました。
"そうだ、ダンボールなら行けんじゃね!!"
四匹目の子豚はダンボールで家を作りました。
するとネコ科並みにダンボール好きなイヌ科のオオカミは
ダンボールの家が一瞬で気に入り戦意を喪失。
壁に体をスリスリしてそのままスヤスヤと眠てしまいました。
"っしゃー!作成成功!"と息巻いた四匹目の子豚は
寝ているオオカミから食べられた兄弟たちを救出し、
そのまま皆でオオカミをやっつけてしまい、
兄弟仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし・・・
教訓・・・モノ作りはアイデア勝負!
~~~~~(´-`).。oO
『・・って感じなんだけど、どう?このオチ?』(*´∀`)
『どうって言われてもなあ・・・なんとも』(o。・・。)
『ええ~、面白いと思うんだけどな~・・・』(*´∀`)
『まあダンボールショート小説作りがお前の仕事だからな。
有名童話にダンボールの融合はいいと思うけど』(o。・・。)
『けど?』(*´∀`)
『何て言うかインパクトに欠ける、かな』(o。・・。)
『インパクト・・・?』(*´∀`)
『インパクトもだけどもう少しアクがあっても』(o。・・。)
『アクかあ・・じゃあ、こういうのどう!?』(*´∀`)
~~~~~(´-`).。oO
昔々、ある所にダンボールアート作家の若者おりました。
若者が泉のほとりで作品のダンボール斧を振り回していると、
手が滑って斧を泉に落としてしまいました。
すると泉から綺麗な金の斧を持った神様が現れました。
"私は泉の神じゃ。お主が落としたのはこの金の斧か?"
"いいえ、そんな綺麗な斧じゃありません"
"じゃあこの銀の斧?"
"いえ、その斧でもありません"
"ええ~違うの?じゃあどの斧じゃよ?"
"あそこで水吸ってふやけて浮いてるダンボール斧です"
"ああ、あれか・・・あれはもう無理だね"
"ですね、諦めて別の斧を作ります"
"まあ待て、正直者のお主には金の斧を1つ、銀の斧を5つやろう"
"有難うございます。でもなんで金が1つ、銀が5つなのですか?"
"そこはお主の想像にお任せするとしよう"
と言って神様は若者に気前よく高価な斧を6本もくれました。
若者はその話をちょっと性悪な友人男性に話しました。
友人は、"よ~し、それなら俺も!!"と息巻いて、
かなり適当に作ったダンボール斧を泉に投げ入れました。
すると泉の神様が現れました。
"私は泉の神じゃ。お前が落としたのはこの金の斧か?"
"はい、その斧です!!"
"ったく、見え見えの嘘をつきおって、この大欲張り者め!!"
"え、、あの、、話が違・・・!"
"だまらっしゃい!お前の斧はあの水分吸ってふやけた斧じゃろが!"
"ひ、ひいい~!!"
"ったく、お前みたいのが居るから泉が汚れるんじゃ。
バツとして泉の掃除をせい!終わるまで帰んなよ!!"
男は神様に結構な口調でそれはそれはキツく怒られ、
泣きながら泉の掃除を頑張り、泉も綺麗になりましたとさ。
めでたしめでたし・・・
教訓・・・欲張って嘘をつくとえらい重労働が待っている
~~~~~(´-`).。oO
『どう?さっきよりインパクトもアクも強めだろ』(*´∀`)
『そうだね、より現代っぽさも表現されてるし』(o。・・。)
『だろ?』(*´∀`)
『でも、もう少~し人間味が欲しいかな』(o。・・。)
『人間味?』(*´∀`)
『うん、ドラマっぽさっていうかさ』(o。・・。)
『ドラマっぽさか~・・ならこんなのどう!?』(*´∀`)
~~~~~(´-`).。oO
昔々、スズメを可愛がっていたお爺さんがおりました。
ある日スズメはお婆さんの作ったノリを食べてしまい、
お婆さんに舌を切られて泣きながら藪へ逃げていきました。
お爺さんは舌を切られたスズメを探しに藪へ行きました。
"舌切りスズメやどこにおる、大丈夫かあ~"
"お爺さん舌切りスズメはここにおりますよ"
"おお、大丈夫なのか、よかったよかった"
舌切りスズメと仲間達は爺さんを家に招いてもてなしました。
そしてお爺さんの帰り際にお土産を渡そうと、
同じ大きさの2つのダンボール箱を用意しました。
"中身が軽い箱と中身が重い箱のどちらかを選んで下さい"
"重いと帰りも大変だから軽いのを頂くとしようかの"
家に帰ったお爺さんは早速ダンボール箱を開けてみました。
すると丁寧に包まれたアマゾンギフト券1万円分が入っていました。
"箱の中身はほとんど空気みたいなもんじゃがワシはこれで充分じゃ"
それを見たおばあさんはびっくりして、
"私も欲しい!そうだ、私も行ってもらって来よう!"
そういってスズメの家がある藪へと向かいました。
"スズメ達、もてなしはいいから土産の箱を用意しな!"
スズメ達はイラっとしながらも箱を二つ用意しました。
"重いのはこっちだね、じゃあこっちをもらってくよ!"
どっちがいいかも聞かれないのに箱を持って帰ってしまいました。
スズメ達が底面のテープを少し剥がしたとも気づかずに・・・
"それにしても重い箱だねえ、まあいいや"
お婆さんは箱を自転車の後ろのカゴに乗せました。
意気揚々とハイテンションで箱を持ち帰るお婆さん。
舗装されていない山道で自転車も箱もガタガタと揺れました。
そのせいで封緘のテープが次第に剥がれ、中身が少しづつこぼれ落ち、
家に着く頃には箱はすっかり空になってしまいました。
そんな事にも気づかないほ程に浮かれ過ぎていたお婆さん。
お爺さんに箱を見せた時にお婆さんは初めてその事に気づきました。
"おおお!オーマイガあ!!~"
"お前、一体何しに藪に行って来たんだよ?"
お爺さんはたいそう呆れながらそう言いました。
"フン!もう一度行って今度はテープ留めを頑丈にして"
そう言うお婆さんはガムテを持って再び藪へ向かいました。
しかしそれを予想していたスズメ達は既に引っ越した後でした。
肩を落として家に帰るとお爺さんの姿はなく、
代わりに "君とはもうやっていけない" と書かれたメモと、
お爺さんが署名捺印した離婚届が置かれていました。
その後、お婆さんは一人寂しく余生を過ごしましたとさ。
めでたしめでたし・・・
教訓・・・箱の中身は適正重量で。テープ留めもしっかりしよう。
~~~~~(´-`).。oO
『・・・・・・・』(o。・・。)
『・・・・・・・』(*´∀`)
『お爺さん、だいぶ前から離婚を考えてたんだろうな』(o。・・。)
『どうよ、ドラマだろ~』(*´∀`)
『ドラマだけど・・・昼ドラ今昔物語って感じじゃん』(o。・・。)
『ダメか?昼ドラ』(*´∀`)
『生々しすぎだろ。せめて月九か火サスくらいが』(o。・・。)
『そうかな~・・・』(*´∀`)
『あとアマゾン、時代設定がひっちゃかめっちゃか』(o。・・。)
『そこは~、だね。ただまずはとにかくが~って書く!』(*´∀`)
『が~っと?』(o。・・。)
『納得いくものがサッと書けるタイプじゃないからさ』(*´∀`)
『そっか、大変なんだな、ダンボール小説書くのも』(o。・・。)
『その分、嬉しい事も沢山あるよ』(*´∀`)
『読者からコメント貰うと嬉しそうだもんな』(o。・・。)
『たった一人でも"面白かった"って言ってくれたら全部OKだし!』(*´∀`)
『一人じゃだめだろう』(o。・・。)
『たった一人でも届けばって、それも本心なんだ』(*´∀`)
『そういうもんか、まあ何となくわからんでもないが』(o。・・。)
『あ!もう一個浮かんだ!!』(*´∀`)
『どんな?』(o。・・。)
『傘地蔵からお礼のダンボールがどっさり届いて・・・』(*´∀`)
『お前も懲りねえな・・・』(o。・・。)
『懲りたらそこで試合終了だからな』(*´∀`)
『パクリでもお前が言うとオリジナルに聞こえるわ』(o。・・。)
FIN
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【編集後記】
このメルマガで読者様に楽しんで欲しいと思うのは、
本当に本当です。だから色々と考えるわけですが、
時々、思考がどこかに飛んでしまいます。
ただそれは貴方にも同じ経験が有るのではないでしょうか?
でも私の場合は思考がどこかに飛んでしまう時、
ダンボール屋という立場も一緒に飛んでしまうんです。
何とかしたいとは思っているのですが、
多くの読者様から『何ともしなくていい』とも言われます。
本当にいいんでしょうか?
最後までお読み下さりありがとうございました。
m(__;)m
10月某日 ライティング兼編集長:メリーゴーランド