助けてって言えたなら■アースダンボールメルマガVOL144■2022年10月号
『助けて欲しいなら素直にそう言えばいいじゃん』
『いや、なかなかそう言える人の方が少ないよ』
『人を攻撃するくらいなら助けてって言った方が楽じゃん』
『そうだけどさ、そうなんだけどさ』
『そうなんだけども?なんだよ?』
『助けてって言える人は人を攻撃なんてしないんだよ』
(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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『樹(いつき)、昇進おめでとう、乾杯!』(゜_゜)
『ありがとう、空(そら)、乾杯!』( ・_・)
『普通の居酒屋で悪いけど今日はお祝いさせてくれよ、樹』(゜_゜)
『居酒屋だろうがどこだろうが嬉しいよ、空』( ・_・)
『27歳で課長か。樹、お前ホントすげえよ』(゜_゜)
『いやいや、空だって頑張ってるじゃん』( ・_・)
『同級生として、いや親友として誇らしいよ』(゜_゜)
『ありがとう、空にそういって貰えると嬉しいよ』( ・_・)
『できれば樹と同じ会社で働きたかったな~』(゜_゜)
『俺もだよ、でも空の会社もいい会社じゃん』( ・_・)
『そうだけどさ。そうでもないんだよね』(゜_゜)
『なんだ?どうかしたのか?』( ・_・)
『ああ、うん、最近、ちょっとね』(゜_゜)
『なんだよ、話してみろよ』( ・_・)
『いや、今日は樹の昇進祝いだ。暗い話題はやめとこう』(゜_゜)
『何言ってんだよ。ほら、話してみ』( ・_・)
『まあ・・・実は上司がちょっときついんだ』(゜_゜)
『きつい?どんな風にきついんだ?』( ・_・)
『一言で言うと、攻撃されてる感じ・・・』(゜_゜)
『攻撃?穏やかじゃないな・・・』( ・_・)
『うん、穏やかじゃない。本当に攻撃に感じるんだ』(゜_゜)
『空がそう言うなら大げさじゃないとは思うけど』( ・_・)
『ありがとう、ただ最近それが更に厳しくってな』(゜_゜)
『もう少し具体的に言うとどんな風なんだ?』( ・_・)
『理不尽に攻める、必要以上に怒る、怒鳴る、それから』(゜_゜)
『それから?』( ・_・)
『みんなの前で吊るし上げる・・・とか』(゜_゜)
『なるほど、よくあると言えばよくある感じか』( ・_・)
『俺もさ、それが理性的か感情的かくらいはわかるよ』(゜_゜)
『そうだな、空ならわかるよな、』( ・_・)
『明らかに俺を想って叱ってくれてるんじゃないんだよ』(゜_゜)
『誰にでもそうなのか?空にだけか?』( ・_・)
『その日の機嫌で犠牲者は不特定多数』(゜_゜)
『なるほど、完全に感情むき出しって感じか・・・』( ・_・)
『な、暗いだろ、こんな話やめようぜ』(゜_゜)
『なあ、空・・・怒んないで聞いてくれるか?』( ・_・)
『なんだよ改まって、樹の話なら何でも聞くけど』(゜_゜)
『俺は空の上司の味方じゃない、絶対にない』( ・_・)
『そりゃそうだ。もしそうなら俺はここで泣くぞ』(゜_゜)
『うん、それを前提に聞いてほしいんだ』( ・_・)
『わかった、聞くよ』(゜_゜)
『俺も中間管理職になって少しわかったんだけどな』( ・_・)
『うん』(゜_゜)
『ええと何か、そだ、ちょっとダンボール箱を想像してみ』( ・_・)
『ダンボール箱?』(゜_゜)
『そうそう、ダンボール箱』( ・_・)
『ダンボール箱がどうした?』(゜_゜)
『大きな箱と小さな箱があるとするじゃん』( ・_・)
『うん、』(゜_゜)
『小さい箱の上に大きな箱が乗ってるとするじゃん』( ・_・)
『うん、』(゜_゜)
『それって、どっちが空でどっちが上司?』( ・_・)
『もち、下の小箱が俺で上の大箱が上司だな』(゜_゜)
『だよな。下の小箱は辛いよな。でも・・・』( ・_・)
『でも?』(゜_゜)
『上の大箱も辛いかもしれんのよ』( ・_・)
『はあ?上に乗ってるだけじゃん。苦しいのは下だよ』(゜_゜)
『そうだけどさ、よく見ると上の箱って不安定じゃん』( ・_・)
『不安定?』(゜_゜)
『中間管理職ってそんなにどっしりした場所じゃないんだ』( ・_・)
『上から色々、下からも色々、みたいな感じ?』(゜_゜)
『そう、例えばだけどそんな感じ』( ・_・)
『だったら降りればいいじゃん』(゜_゜)
『そう簡単には降りられないのも不安定要因の一つさ』( ・_・)
『そんなこと言われてもな~・・・』(゜_゜)
『俺、そんな人を見る度に思う事があるんだ』( ・_・)
『うん、どんな?』(゜_゜)
『助けを必要としてる人達なんじゃないかってな』( ・_・)
『助け!?攻撃されてるのは俺だぜ!?』(゜_゜)
『怒って怒鳴ってが自分の本意じゃない場合も多いんだよ』( ・_・)
『自分の本意じゃない?』(゜_゜)
『自分の本意じゃなく人を傷つけるのは耐え難いだろ?』( ・_・)
『だから、逆に助けが必要な立場じゃないかってこと?』(゜_゜)
『すごく粗い言い方だけど、そう』( ・_・)
『助けて欲しいなら素直にそう言えばいいじゃん』(゜_゜)
『いや、なかなかそう言える人の方が少ないよ』( ・_・)
『人を攻撃するくらいなら助けてって言った方が楽じゃん』(゜_゜)
『そうだけどさ、そうなんだけどさ』( ・_・)
『そうなんだけども?なんだよ?』(゜_゜)
『助けてって言える人は人を攻撃なんてしないんだよ』( ・_・)
『言える人は・・・攻撃しない・・・?』(゜_゜)
『言えないから、下の箱を責めるわけさ』( ・_・)
『下の箱って、例えば部下や後輩にか?』(゜_゜)
『お前がこんなに小さいから不安定なんだ、とか』( ・_・)
『お前の責任でもっとこの場所を安定させろ、みたいな?』(゜_゜)
『そう、助けてって言えない人ほど理不尽な事をいうもんだ』( ・_・)
『助けてって言えないから理不尽な事をいう・・・か』(゜_゜)
『俺から見るとそういう人ほど助けを必要としてると思う』( ・_・)
『そういう人ほど・・・助けを・・・』(゜_゜)
『しかもそんな人ほど自分は助けが必要だと認識してない』( ・_・)
『なんか、厄介ですなあ、樹』(゜_゜)
『ああ、厄介なんですよ、空』( ・_・)
『・・・・・・』(゜_゜)
『・・・・・・』( ・_・)
『理不尽と気づかずに他人をコントロールしようとするなんてな』(゜_゜)
『中間管理職ってそういう人も意外と多い気がするよ』( ・_・)
『お前も、そうなのか?樹』(゜_゜)
『ああ、俺もそうかもしれん』( ・_・)
『俺もいつかそういう経験すんのかな』(゜_゜)
『するかもしれんし、しないかもしれん、』( ・_・)
『なあ樹、俺、今一個だけ気づいたわ』(゜_゜)
『んん?』( ・_・)
『ダンボール箱には無理だけど、俺達は行動を選べる』(゜_゜)
『だな、それいいね。じゃあ上司になんか言うのか?』( ・_・)
『わからん、でもちょっと上司への見方が変わった、今』(゜_゜)
『それはいい風にか?』( ・_・)
『わからん、でも悪くはない感じだよ』(゜_゜)
『そりゃよかった』( ・_・)
『ところで樹・・・』(゜_゜)
『んん?』( ・_・)
『なんでダンボール箱で説明したんだ?』(゜_゜)
『んんん~、わかんね!なんか浮かんだ』( ・_・)
『なんだそりゃ、でも想像はしやすかったかな』(゜_゜)
『ならまあいいじゃん、さ、飲もうぜ!』( ・_・)
『おお、じゃあ改めて乾杯!!』(゜_゜)
FIN
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【編集後記】
一般社員には一般社員の、
管理職には管理職の、
そして経営者や事業主にも、
それぞれの喜びや悲しみや孤独があります。
でも私達は、立場が違う人のそれを、
自分が思うほど理解できていないのかもしれません。
でもわからないまでもわかろうとするだけでも、
互いがより良い関係になる場合も多いと思います。
でもどうすればそうなれるのでしょう?
私はその答えを持っていません。
ただ私達の造るダンボール箱が、
千人に一人、一万人に一人でもそのお役に立てるのなら、
今日もダンボール箱を作って良かったなと思えます。
最後までお読み下さりありがとうございました。
m(__;)m
ライティング兼編集長:メリーゴーランド