世界でただ一人、ただ一箱■アースダンボール メルマガVOL128■2022年2月号
『お父さんのバカ!!バナナの皮踏んで転んじゃえ!!』
バタン!!!
娘の絶叫と部屋のドアを激しく閉める音が響いた。
一体何でこんな事に・・・!?
(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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娘の名前は佳奈(かな)、ゲーム好きの中学2年生だ。
僕は仁科聡(にしなさとし)38歳。
どこにでもいる普通のサラリーマンだ。
って今、僕、"どこにでもいる普通の"とか言いました?
ああやっぱり、それです、それなんです。
僕は子供の頃から物事にあまり特別感を感じない性格で、
何だって同じだろうと思うことが多かった。
無関心とかではなくて真剣になる時も勿論あるけど、
何に対してもあまり執着しないし愛着がわかない。
そしてそれは自分自身に対しても同じ。
でも時にその性格は"ガサツ"となる事も多々あった。
__________
あれは先週の土曜日の朝だった。
ダンボールゴミの回収日で家中を一通り見回った。
佳奈の部屋の開いたドアのすぐ側にあったダンボール箱も、
他とまとめて回収所に出した。
『おとうさん、ここにあったダンボール箱知らない?』(・_・?)
『ゴミ回収に出しといたよ』(´?`*)
『は・・・はああ~~!?早く、早く戻して!!』(゜ロ゜;)
『今さっき回収車が持ってっちゃたよ』(・ω・`;)
『ど、どうしてくれんのよ!!』(;´Д`)
『どうしてって、只のダンボール箱じゃん』(・ω・`;)
『ちゃんと部屋の中にあったじゃん!なんで勝手に!!』(ノ゜Д゜)ノ
『いや、普通に不用品に見えたから』(・ω・`;)
『お父さんのバカ!!バナナの皮踏んで転んじゃえ!!』(≧◇≦)
バタン!!!
『おい佳奈!一体何なんだよ!』(;´・ω・)ノ
その後、佳奈が全く口をきいてくれなくなった。
(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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週明け、僕は仕事で取引先に来ていた。
僕と同年代の気さくな社長さんが居て、結構何でも話せる仲だ。
もう8年ものお付き合いだからか、僕の様子の変化に気づいた。
そこで僕は週末にあった娘との出来事を話した。
『そういえば社長もゲーム好きでしたよね』(^_^)
『ちょっとした時の息抜き程度にね。
そころで娘さんが今はまってるゲームって?』( ̄ー ̄)?
『"アンダーワールド ~地下帝国の逆襲~"だったかな。
地下に住む様々な生き物や動物達が帝国を築いて、
地下の覇権争いをする超大人気RPGらしいです』(^_^)
『ああそれか~!僕も今やってるんですよ!
・・・はは~ん、なるほど、何となく見えてきた』( ̄ー+ ̄)
『見えてきたって、何がですか?社長・・・』(^_^)?
『仁科さんほら、ちょっとこれ見て下さいよ』( ̄ー ̄)
社長はSNSのある投稿を見せてくれた。
その投稿には普通のダンボール箱が載っていた。
『・・・普通のダンボール箱、ですよね?』(^_^;)?
『あ~、娘さんにもそう言っちゃったんですか?』( ̄ー ̄)
『ええ、だって普通のどこにでもある・・・』(^_^;)
『それは問題発言だ。ほら、もっとよく見て』( ̄ー ̄;)
社長は写真を拡大した。
『ほら、ここにち~さくプリントされたこれ!
このゲームの超激レアキャラ"蟻の戦士アリオン提督"です!
このゲームの幻の神的キャラなんですよ!』( ̄ー+ ̄)
『うわちっさ!これプリント見えないですよ』(゜_゜;)
『そこがいいんだよ。原寸大の蟻くらいのプリントがね。
これは全クリした人しか買えない超レアグッズの発送箱でね、
全クリすると購入可能コードが発行される仕組みなんだ。
箱の中身は一般グッズ詰合せだけどこの箱が激レアなんだよ。
数量限定で残数も公開してる。ほら、残数あと30箱』( ̄ー+ ̄)
『じゃあ、娘は全クリした・・・?』(゜_゜;)
『これ全クリ難しいから相当頑張ったはずですよ!』( ̄ー+ ̄)
『そっか、そんな大事な箱だったのか・・・』(゜_゜;)
『仁科さんには只の箱でも娘さんには激レア宝箱です』( ̄ー+ ̄)
『社長、お忙しいのに色々教えて下さってありがとうございます。
家庭の事なんか愚痴っちゃって、こんな僕なんかの為に・・・』(__;)
『仁科さん、前から思ってたんだけどいい機会だから言うね。
その"こんな僕"って言い方、やめた方がいいですよ。
なんで僕が御社と8年も取引してると思う?
ハッキリ言って御社の商品やサービスはどこにでもあるけど、
仁科さんだから取引してるんだよ。仁科さんは一人だけなんだよ。
仁科さんがいいんだよ。仁科さんはオンリーワンなんだよ』( ̄ー+ ̄)
(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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僕がオンリーワン? あのダンボール箱がオンリーワン?
社長の言葉が頭から離れなかった。
そっか、そうなのか・・・。
いや、ひとまずそれは今は置いておこう。まずは娘に謝罪だ。
僕は誠心誠意謝り、娘は渋々ながら許してくれた。
でもまだ、何か僕だけに、僕だからできる事は・・・?
答えはすぐに出た。
僕は未経験のある事に挑戦しようと決意した。
いや、その挑戦をやり遂げることを決意した。
その日から僕は許される時間の全てをその挑戦に注ぎ込んだ。
ある時は食事しながら、ある時は通勤時にも、
寝る間も惜しんで他には一切目もくれず研究と実践に没頭した。
そして一ヶ月後・・・
や、やった・・・やったやったやったああ~!!
遂にやってやったぜえええ~~!!!
っっっっっしゃあああ~!!!!ヽ(≧▽≦)ノ
僕は遂に、
アンダーワールド ~地下帝国の逆襲~ を全クリ完全制覇した。
派手なセレブレーション画面と鳴り響くファンファーレの中、
遂に夢にまで見た超レアグッズ購入可能コードが現れた。
震える手でスクショを撮り、すぐにグッズ購入画面を開いた。
昨日の段階で残りは3つだった。頼む、残っててくれ・・・
ああ、やった、残・・・1つ・・・!
落ち着け、落ち着け、俺! ;゜д゜)
まだ油断するな、確実に、確実に購入手続きするんだ。
この瞬間にも他に購入者が同じ画面を開いているかも。
全ての入力項目を完了し、いよいよ注文確定ボタンを、
『お、おねがいしまあああ~すっっ!!』(≧▽≦)
ポチッッ!・・・とクリックした。画面には・・・
"ご購入有難うございました。完全制覇おめでとうございます。
商品の到着を楽しみにお待ち下さい" の文字が。
ああ、、佳奈、父さん、やったぞ 。゜(゜´Д`゜)゜
この一か月間が走馬灯のように流れた。
しかしその時、注文完了画面が更に動き出した!!
"おめでとうございます!貴方は最後のご購入者様です。
貴方には通常のアリオン提督バージョン発送箱ともう一つ、
アリオン提督アーマーバージョンの箱でも送らせて頂きます。
世界でただ一つ、最後のご購入者様だけの特別特典発送箱です"
その直後、ネット上では超レアグッズ完売の情報が回り始めた。
更にアーマーバージョン箱の情報も公開され、広がった。
『この箱、超カッコいい!』
『最後の購入者だけの特別特典だってよ!』
『ゲットしたのはどこの誰だ!?』
と嵐のような凄まじい勢いで拡散された。
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後日、グッズが届くと僕はすぐに娘の部屋をノックした。
『佳奈、あの時はごめんな。これ、お詫び』(^^;)
『ええ!? アリオン提督箱!!』(;゜д゜)
『ああ、何とかゲットできたよ』(^^;)
『じゃあお父さん全クリしたの!?
ここ一ヶ月何か全集中してたけど、この為?』(;゜д゜)
佳奈は涙ぐんで喜んでくれた。
『最後の一個に何とかギリギリ間に合ったんだ』(^^;)
『え? 今何て? 最後の一個?ってことはまさか!!』(;゜д゜)
『ああ届いてるよ、アーマーバージョンも!』( ̄∀ ̄)
『ぎ、ぎゃあああああ~!!!』w(゜ロ゜;w(゜ロ゜)w;゜ロ゜)w
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僕は仁科聡(にしなさとし)38歳。
どこにでもいる普通のサラリーマン、じゃない。
世界でたった一人の俺っていうサラリーマン。
世界でたった一人の佳奈の父親。
ゲットしたダンボール箱も、世界でたった一つの箱だった。
FIN
(´o`)п(´o`)п(´o`)п
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【編集後記】
私は、今は全然ゲームをしませんが、
子供の頃はよくゲームセンターに行きました。
アーケードゲームですね。
友達と一緒に、100円玉握りしめて、皆でゲーム機囲んで。
インベーダー、ギャラクシアン、パックマン、
ドンキーコング、ラリーエックス、平安京エイリアン、
それからそれから・・・
夢中で、真剣で、快楽的で、刹那的で、笑いあり、涙あり、
子供ながらに色んな人間模様を経験しましたね。
あ、これだと只々懐かしんで終わっちゃいますね。
じゃあ大事なことをここで!
たった一箱だけのオリジナルフルカラーダンボール箱を、
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最後までお読み下さりありがとうございました。
m(__;)m
ライティング兼編集長:メリーゴーランド