- ダンボール通販・購入 トップ
- おすすめコンテンツ一覧
- ダンボールワンポイント記事
- クロネコゆうメールとは?誕生の背景やサービス内容を解説
クロネコゆうメールとは?誕生の背景やサービス内容を解説
2023年6月にヤマト運輸は、日本郵便とサービスを提携することを発表しました。これまで、ヤマト運輸が日本郵便・総務省と信書問題で対立を続けてきた経緯からすると、ヤマト運輸と日本郵便のサービス提携は歴史的な和解と言えるものです。
この記事では、日本郵便とヤマト運輸が提携してサービスを提供する「クロネコゆうメール」について、詳しく解説します。また、クロネコゆうメールと他のサービスの違いについても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.クロネコゆうメールとは
クロネコゆうメールとは、ヤマト運輸と日本郵便の協業による新しいメール便サービスです。ヤマト運輸が従来提供していた「クロネコDM便」は2024年1月31日に終了し、2024年2月1日からクロネコゆうメールが開始されました。
クロネコゆうメールは、日本郵便のメール便サービス「ゆうメール」を活用したサービスである点が特徴です。クロネコゆうメールで送る荷物はヤマト運輸が集荷して、日本郵便の引受地域区分局に差し出します。差し出し後は日本郵便が荷物の仕分けを行い、日本郵便の配送網で送り先へと配達される流れです。
出典:ヤマトホールディングス株式会社「日本郵政グループとヤマトグループ持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について」
メール便の集荷と配達を分業する仕組みには、日本郵便と佐川急便の協業で提供されている「飛脚ゆうメール便」という前例があります。飛脚ゆうメール便も、佐川急便が集荷して、日本郵便が荷物の仕分け・配達するサービスです。
2.ヤマト運輸・日本郵便の協業によるクロネコゆうメールが生まれた背景
ヤマト運輸と日本郵便は従来、「信書問題」で対立を続けてきました。クロネコゆうメールの誕生は、両社の関係性が対立から提携へとシフトしたことを示しています。
ヤマト運輸のニュースリリースによると、日本郵便との協業の主旨は下記の通りです。
【協業の主旨】
(1)両社の経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図る。
(2)相互のネットワークやリソースを共同で活用することで、物流業界が抱える以下のような社会課題の解決を目指す。
①「2024年問題」(トラックドライバー不足など)の緩和への貢献
②環境問題(カーボンニュートラル)への貢献
引用:ヤマトホールディングス株式会社「日本郵政グループとヤマトグループ持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について」/引用日/2023/11/21
ヤマト運輸と日本郵便が協業に至った背景には、近年における「荷物の増加・郵便物の減少」や、協業の主旨にも取り上げられている「2024年問題」があります。2社が抱える課題を解決するために、提携・協業によって生まれたサービスがクロネコゆうメールです。
クロネコゆうメールが始まることで、ヤマト運輸は従来のDM便を配達する業務がなくなり、主力サービスである「宅急便」などの業務にドライバーを集中させられます。日本郵便は配達業務の増加によって、全国各地の郵便局で構築されている配送網の有効な活用が可能となります。
出典:ヤマトホールディングス株式会社「日本郵政グループとヤマトグループ持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について」
【参考知識:信書問題とは】
信書問題とは、郵便法に規定されている「信書」に関連した、郵便・宅配便の問題のことです。
そもそも信書とは、特定の受取人に向けて差出人の意思を表示する、もしくは事実を通知する文書を指します。請求書や申込書、結婚式の招待状などが信書の例として挙げられます。
信書の配送は、郵便法で日本郵便と信書便事業者のみが行えると規定されている業務です。他の事業者が信書の配送をした場合は、配送をした事業者と、配送を依頼した利用者が郵便法違反で罰せられます。
ヤマト運輸は「クロネコメール便」というメール便領域のサービスを、利用者が意図せず信書の配送に利用するおそれがあるとして2015年3月31日に廃止しました。ヤマト運輸は、信書の定義が分かりにくいことを信書問題として以前より指摘していて、信書の配送を業務とする日本郵便との対立構造がありました。
2-1.荷物の増加・郵便物の減少
ヤマト運輸と日本郵便が協業に至った背景の中でも、「荷物の増加と郵便物の減少」が大きな理由として挙げられます。
まず「荷物の増加」については、ヤマト運輸の主力サービスである宅配便3商品(宅急便・宅急便コンパクト・EAZY)は取扱個数が近年伸び続けている状況です。
ヤマト運輸の2023年3月期における通期決算報告によると、2023年度の宅配便3商品の取扱個数は約19億2,633万8,000個でした。前年度と比較すると約1.9%の伸び率となっています。しかし、荷物を配達するドライバーは不足しており、ヤマト運輸はドライバーの働き方改革や勤務体制の刷新を図っています。
出典:ヤマトホールディングス株式会社「ヤマトグループ 決算説明資料<2023年3月期 通期>」
出典:ヤマトホールディングス株式会社「ヤマトグループ連結決算概要 2023年3月期 決算説明補足資料」
もう1つの「郵便物の減少」は、日本郵便の郵便事業にかかわっています。
日本郵便は近年、郵便物の取扱個数が減少しており、2024年3月期の中間期における郵便物の取扱個数は約63億5,100万通でした。前年度中間期と比較して、約3.4%の減少となっています。
出典:日本郵政グループ「2024年3月期第2四半期(中間期)決算の概要」
ドライバー不足のヤマト運輸にとって配送する荷物の増加は、企業の利益になるとは限りません。また郵便事業を主力サービスとする日本郵便にとっては、郵便物の減少は利益の減少につながる大きな問題です。
クロネコゆうメールは、2社が抱えるこのような問題を解決できるサービスとして期待されています。
3.クロネコゆうメールのサービス内容
そもそもメール便とは、小型の荷物を集荷して、送り先のポストに投函するサービスを指します。全国一律料金で荷物を発送できる点がメール便の特徴であり、配送料金を安く抑えることが可能です。
メール便とは?普通郵便との違いから発送方法・注意点まで徹底解説
前述の通り、クロネコゆうメールはヤマト運輸が提供しているメール便です。分かりやすく言うと、クロネコゆうメールは、「ゆうメール」と「クロネコDM便」を合わせたようなサービスになります。また、日本郵便と宅配便大手の佐川急便が提携して提供している「飛脚ゆうメール」に倣ったサービスとも言えます。
クロネコゆうメールのサービス内容を3つのポイントに分けて紹介します。
●対象者
クロネコゆうメールの対象者は、法人・各種団体・個人事業主に限定されます。送る側・受け取る側ともにヤマト運輸と契約した者に限られるので、対象外の個人間では行えません。
●配達日時指定
クロネコゆうメールには、土曜・日曜・祝日・1月2日の配達はありません。クロネコゆうメールの配達は日本郵便が担当する業務なので、通常のゆうメールと同じで平日のみの配達になります。
●追跡
クロネコゆうメールは、荷物の配達状況を追跡できません。荷物の追跡を希望する場合は、宅急便またはネコポス/クロネコゆうパケットを利用しましょう。
ここからは、クロネコゆうメールのサービス内容をより詳しく解説します。
3-1.利用の流れ・料金
クロネコゆうメールを利用する際、荷物の大きさを長さ34cm以下/幅25cm以下/厚さ2cm以下、重量は1kg以下に収めます。外装部分に宛名ラベルを貼り付けたら、ドライバー集荷もしくはヤマト運輸直営店へ荷物を持ち込みます。
なお、クロネコゆうメールで発送する荷物は、下記のいずれかの方法で送付物を確認できる形式にする必要があります。
- 封筒や袋の一部が開くようにする
- 封筒に無色透明の部分を設け、中身が見えるようにする
- 中身の見本を郵便局の窓口で提出する
クロネコゆうメールの運賃は全国一律料金で、具体的な金額は担当営業所から案内されます。
最大サイズ | 長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ2cm以内 |
---|---|
最小サイズ | 長辺14cm以上、短辺9cm以上 ※郵便はがきサイズ |
出典:ヤマト運輸株式会社「「クロネコ DM 便」取り扱い終了と「クロネコゆうメール」発売に伴う出荷についてのご案内」
クロネコゆうメールの料金は、法人契約の内容、荷物の発送個数などによって変わります。また、クロネコゆうメール1冊あたりの上限金額は、厚さによって変動する点が特徴です。
3-2.送付できるもの
クロネコゆうメールで送付できるものは、下記のような荷物です。
- 書籍
- 雑誌
- 商品カタログ
- マニュアル類
- CDやDVD、Blu-rayディスク
- コイル状の金具でとじたカレンダー など
冊子になっている印刷物や電磁的記録媒体に該当する物品が、クロネコゆうメールで送付できるものに該当します。
また、内容物に関係する下記のような書類も、クロネコゆうメールに同封して送ることが可能です。
- 付録(内容物よりも軽いもの)
- 注文用の払込書用紙、申込用紙
- 注文もしくは返信用のために、受取人の氏名や住所を記載した封筒・はがき
- 「見本」「サンプル」などの表記がある商品見本
- 注文または返信を促すための物品(割引券や記念品贈呈券) など
ただし、信書や手書きの文書などは、クロネコゆうメールでは送付できません。
4.「クロネコゆうメール」と「クロネコDM便」の違い
2024年1月31日に終了したクロネコDM便は、カタログ・パンフレット・チラシなどの荷物を全国に配達できるサービスです。
出典:ヤマト運輸株式会社「「クロネコ DM 便」取り扱い終了と「クロネコゆうメール」発売に伴う出荷についてのご案内」
全国一律料金で送ることができ、ポスト投函で配達が完了するので送り先で受領印をもらう必要がありません。また、発送地点から送り先までが400km圏内の場合は3日、400km圏外の場合は4日を目安に配達するスピーディーさが特徴です。
以下では、クロネコゆうメールとクロネコDM便の違いを解説します。
4-1.サービスの対象者
クロネコゆうメールは、サービスの対象者が限定されています。ヤマト運輸と契約した法人や各種団体、個人事業主が対象です。法人契約は、法人や各種団体、個人事業主が利用できるサービスなので、登録費用・年会費は発生しません。
クロネコDM便もクロネコゆうメールと同様、ヤマト運輸と契約した法人・個人事業主が利用できるサービスです。法人や個人事業主ではない、個人の利用者はクロネコDM便による荷物の発送はできません。
4-2.料金・サイズ規格
クロネコゆうメールは、法人契約の内容や荷物の発送個数などによって価格が変わります。クロネコDM便の料金も同様に明確に定まっておらず、法人契約の内容や荷物の発送個数などの条件で異なります。
クロネコゆうメールとクロネコDM便のサイズ規格を比較すると、下記の通りです。
クロネコゆうメールのサイズ規格 | クロネコDM便のサイズ規格 |
---|---|
|
|
5.「クロネコゆうメール」と「飛脚ゆうメール便」の違い
飛脚ゆうメール便とは、佐川急便と日本郵便の協業で提供されているメール便です。佐川急便が集荷した荷物を郵便局が配達する仕組みであり、ヤマト運輸と日本郵便の協業による「クロネコゆうメール」と近いサービスとなっています。
飛脚ゆうメール便は、雑誌・カタログなどの印刷物や、CD・DVDといった電磁的記録媒体の発送に利用できます。飛脚ゆうメール便の配送にかかる日数は5日が目安です。
以下では、クロネコゆうメールと飛脚ゆうメール便の違いを解説します。
5-1.サービスの対象者
飛脚ゆうメール便では、荷物を送る側は法人のみに限定されています。初めて利用する場合は担当営業所もしくはセールスドライバーに問い合わせて、初期登録をする必要があります。
サービスの対象者が制限されていないクロネコゆうメールと比較すると、飛脚ゆうメール便はサービス利用にハードルがあるサービスと言えるでしょう。
一方で、飛脚ゆうメール便での荷物の受け取りは、法人・個人のいずれであっても可能です。
5-2.料金・サイズ規格
飛脚ゆうメール便の料金は、下記の通りです。
重量 | 料金(税込) |
---|---|
~200g | 115円 |
~500g | 168円 |
~1kg | 299円 |
~2kg | 330円 |
~3kg | 456円 |
飛脚ゆうメール便は、料金が細かく区分されています。基本的にゆうメールよりも価格設定が安く、荷物の配送にかかるコストを抑えられます。
また、飛脚ゆうメール便のサイズ規格は下記の通りです。
飛脚ゆうメール便のサイズ規格 |
---|
|
長さ・幅の制限はクロネコゆうメールと共通していますが、飛脚ゆうメール便はクロネコゆうメールと比べて厚く重みのある荷物を送ることが可能です。
6.クロネコゆうメールを使う場合におすすめの梱包資材
クロネコゆうメールのサイズ規格は「クロネコDM便」とも「ゆうメール」とも異なりますので、クロネコゆうメールで荷物を送る場合は、専用の梱包資材を利用するとよいでしょう。
最後に、クロネコゆうメールにおすすめの梱包資材を紹介します。
おすすめ商品
◆ネコポス対応マチ付厚紙封筒(直輸入)
厚み2cm以内に収めれば、クロネコゆうメールで使用することができます。また、テープ付きの厚紙封筒なので梱包作業の効率が良くおすすめです!
◆クロネコDM便対応箱(厚さ1cm)
クロネコDM便対応として設計された箱ですが、クロネコゆうメールにもサイズが適合しているので、そのままクロネコゆうメールでも使用できます。A4サイズの厚さ1cmの箱で、汎用性高く便利です!
アースダンボールでは上記の他にも、クロネコゆうメールに対応したダンボール箱や封筒を多数取り扱っています。クロネコゆうメール対応の梱包資材を購入する際は、ぜひ以下ページをご覧ください。
まとめ
「クロネコゆうメール」は「ゆうメール」と「クロネコDM便」を合わせたサービスになります。クロネコゆうメールは、ヤマト運輸と日本郵便が抱える「荷物の増加」と「郵便物の減少」の問題を解決できるサービスとして期待されています。
メール便を利用する場合は、メール便の規格に対応した梱包資材の用意が必要です。梱包資材専門サイトのアースダンボールでは、「ゆうメール」などのメール便サービスに対応した梱包資材を販売しております。メール便対応の梱包資材をお探しの方は、ぜひアースダンボールの公式サイトをご覧ください。